iPhoneの「共有アルバム」は他の誰かと写真やビデオを共有しあえるだけでなく、無料のiCloudストレージプランでも大量のデータをiCloudに保存できるメリットがあります。
その反面、保存できるファイル数に上限があり、解像度の大きな写真やビデオは自動的にリサイズ（縮小）されます。
共有アルバムはiPhone標準写真アプリ内にありますが、他のアルバムと同じ感覚で操作すると思わぬ失敗が起こることも。
そこで今回は共有アルバムの注意点・欠点をまとめました。
覚えておきたい「共有アルバム」のデメリット
共有アルバムは写真やビデオのコピーをiCloudにアップロードして保管するので、利用にはインターネット接続が必要となります。
共有アルバムは写真アプリの[アルバム]タブの[共有アルバム]セクションで見られます。
※設定アプリの[写真]で[共有アルバム]を有効にしている場合
iCloudアカウント(AppleID)があれば誰でも簡単に無料ではじめられますが、標準写真アプリ内の他のアルバムとは特性が異なるので注意が必要です。
解像度の上限を超える写真や動画はリサイズ(縮小)される
共有アルバムに保存した写真の解像度は長辺が最大2,048ピクセル(パノラマ写真の最大幅は5400ピクセル)に縮小されます。
ビデオの解像度は720pになります。
15分以上のビデオを保存できない
15分を超える長さのビデオは「ビデオが長すぎます」と警告されます。
長さを15分未満に調整すると保存できます。
コピーを保存するためオリジナルデータとは異なる
共有アルバムに保存した写真や動画の撮影情報（撮影日時や場所）を基本的に保持していますが、失われることもあります。
共有アルバムはデータのコピーをアップロードします。
引用元：iPhone、iPad、Mac の写真 App でアルバムを共有する方法 – Apple サポート (日本)
ダウンロードしたコンテンツに、オリジナルと同じ情報が含まれているとは限りません。
アルバムを削除すると写真やビデオが消える
iPhone標準写真アプリに作成したアルバムを削除しても写真やビデオは「最近の項目」に残りますが共有アルバムはデータも含め削除されます。
共有アルバムを削除すると、作成者のすべてのデバイス、および参加者全員のデバイスから自動的に削除されます。
引用元：iPhone、iPad、Mac の写真 App でアルバムを共有する方法 – Apple サポート (日本)
「公開 Web サイト」が有効になっていた場合は、その共有アルバムが Web からも削除されます。
共有アルバムを削除すると、その中の写真もすべて完全に削除されます。
実際に削除する前に、残しておきたい写真は必ず保存しておきましょう。
削除した共有アルバムの写真やビデオは復元できない
共有アルバムにある写真やビデオを削除すると、[最近削除した項目]に移動することなく完全に削除されます。
復元はできません。
共有アルバムの所有者は、誰が追加したものでも写真、ビデオ、またはコメントを削除できます。
引用元：iPhone、iPad、Mac の写真 App でアルバムを共有する方法 – Apple サポート (日本)
参加者は、自分が追加したものを削除できます。
削除したものはすべて、自分のすべてのデバイス上と参加者のデバイス上の該当するアルバムから自動的に削除されます。
他のアプリから見られないことがある
共有アルバム内の写真やビデオは[ライブラリ]タブや最近の項目アルバムに表示されません。
共有アルバムにある写真やビデオを他のアプリから見るには任意の共有アルバムを選択します。
アプリによっては共有アルバムを選べず見られないこともあります。
iPhoneストレージの使用容量が一時的に増える
iCloud写真を利用状況によっては共有アルバムに保存直後はiPhone本体ストレージの使用量が増えます。
これは、共有アルバムに保存するため写真やビデオのオリジナルデータをダウンロードするためです。
バックアップの対象外である
共有アルバムはiCloudバックアップ(または、iTunes(Finder)バックアップ)に含まれません。
共有アルバムの内容は、自動的にはバックアップされません。
引用元：共有アルバムが機能しない場合 – Apple サポート (日本)
共有アルバムの写真やビデオを保存しておきたい場合は、デバイスをバックアップする前に、それらの写真とビデオをフォトライブラリに追加しておいてください。
保存数に上限がある
共有アルバムは1つのアルバムに最大5,000の写真やビデオを追加できます。
上限に達すると共有アルバム内の写真やビデオを削除するまで保存できません。
ビデオを再生できない、写真の表示が遅いことがある
共有アルバムはiCloudに写真やビデオに保存するため通信環境に大きく左右されます。
たとえば、中央にくるくるが表示されて再生が始まらない。
全体的にぼやけて鮮明ではない。
右下にビックリマークが出てタップすると「写真(ビデオ)を読み込めません」と表示される。
このような症状が起きたときはAppleのシステム状況ページで「写真」に影響する問題が起きていないか、ご利用のWi-Fi環境に障害等が発生していないか確認します。
モバイルデータ通信が利用できない、または低速が原因のこともあります。
「”写真”のモバイルデータ通信がオフです」と表示されたら設定を変更します。
設定アプリで[モバイル通信]を選択して[写真]を有効（緑色）にします。
共有アルバムから写真やビデオが勝手に消えるって本当？
私はiPhoneの共有アルバムを使用していますが写真やビデオが勝手に消えたことはありません。
9年前に初めて作成した共有アルバムも今も問題なく見られます。
ただ、誤って消してしまったり、保存できていなかった等のトラブルはあります。
Appleサポートコミュニティには共有アルバムの質問が多く寄せられていますが「共有アルバムから消えた動画の復元方法」には同じような問題で困っているユーザーのアクション”私もです”が200以上あります。
しかし、残念ながらトラブルの解決に至る回答はありません。
類似の質問もいくつか見ましたが解決していないものが多いです。
Appleサポートコミュニティはユーザー同士の意見交換でありAppleのテクニカルサポートとは異なります。
そこで、Appleサポートアプリ から共有アルバムから消えたデータの復元について問い合わせると「共有アルバムからデータが消えてしまった場合、アップルではデータを復元することはできません。」との回答。
「何かの理由で消えてしまった場合はオリジナルからの再読み込みをお願いしております。」と説明を受けました。
共有アルバムは無料でiCloudに大量の写真やビデオを保存できるメリットがある反面、このようなリスクもあるので万一に備えてバックアップを作成しておきましょう。
